トップ > オルター通信一覧 > 危険なグリホサート検査して禁止させよう

2019.11.19 オルター通信1620号
危険なグリホサート検査して禁止させよう

危険なグリホサート検査して禁止させよう
日消連・グリホサート取材班
「消費者リポート」 No.1625 2019.9.20より転載

世界で最も多く使われている除草剤グリホサートの危険性が、日本でも少しずつ広まってきました。規制や禁止が進む各国に対して、食品の残留基準を緩和する日本政府に批判の声が出ています。さらに国としてほとんど規制のない公園・道路、校庭などの公共施設の使用に、地方自治体で歯止めをかけようとする動きが生まれています。日消連も加わる市民団体デトックス・プロジェクト・ジャパンは、毛髪検査を進めて体内にどれくらい取り込まれているのか把握しようとしています。検査運動を進めて禁止に向け弾みをつけましょう。

人体内残留検査スタート 予備調査で7割から検出

■ 食パンやカップ麺から検出
グリホサートはすべての作物を枯らすため、農作物に使われることはありませんでした。ところが、1990年代半ばに除草剤ラウンドアップ(主成分・グリホサート)に耐性を持つ遺伝子組み換え作物の栽培が始まると、農地での大量散布が始まりました。日本は米国から遺伝子組み換えトウモロコシや大豆、カナダから遺伝子組み換えナタネを輸入しています。私たちはグリホサートが残留する食品を口にしています。
さらに深刻な問題があります。収穫前に散布する、プレハーベストという使い方です。北米では小麦や大麦など、遺伝子組み換えではない穀物にもグリホサートが使われています。収穫しやすくするため、一斉に枯らしているのです。実際、北米産小麦粉からグリホサートが検出されています(「消費者リポート」1618号)。農民連食品分析センターの調査でも、市販の食パンやカップ麺から検出されました。小麦粉を使った食品は他にもクッキーやケーキ、うどんなどたくさんあり、食べものからグリホサートを取り込んでいるようです。

■ 毛髪で長期間の摂取状況を調査
私たちの体内にグリホサートは残留していないのでしょうか。今年5月に設立された「デトックス・プロジェクト・ジャパン(DPJ)」(日消連も参加)は人体汚染の実態を明らかにしようと、9月から検査運動を始めました。グリホサートのほか、AMPA(グリホサートの分解物)、グルホシネート(商品名「バスタ」などの主成分)の3種類を検査します。農薬の残留検査は尿や血液で行うことが多いですが、短期間で排出されるため、長期(3カ月)間の曝露を調べることができる毛髪を使います。
DPJは予備調査として、国会議員23人を含む28人を検査。結果は、19人(70%)からグリホサートやAMPAが検出されました。最も値が高かった人は、グリホサートで
0.791ppm、AMPAで1.206ppm。海外で農薬残留調査を行う「デトックス・プロジェクト」代表のヘンリー・ローランドさんは、「尿検査でのグリホサートとAMPAの平均は3ppb(ppmの1000分の1)。今回の値は高い」と驚いています。

■ 残留実態明らかにし規制を
調査に協力した議員のほとんどが、近くに畑や果樹園はないと答えています。街路樹や駐車場等に散布されたものが大気中に拡散し、吸い込んだ可能性もありますが、DPJでは、一番の原因は食べものからの摂取だろうとみています。市民によるグリホサート毛髪残留検査は海外でも始まったばかりのため、数値の分析や曝露経路については、海外のデトックス・プロジェクトと協力して追求していく予定です。
日本でも一部地域で大豆にプレハーベストが行われているようです。検査結果を積み上げ、残留実態を明らかにすることで、グリホサートの散布禁止や一般向け販売規制につなげたいと考えています。それには、この体内残留検査を多くの人に行ってもらうことが必要です。

デトックス・プロジェクト・ジャパン顧問 木村ー黒田 純子さんに聞きました

安全性は確保されていない 子どもの脳への悪影響を懸念

――グリホサートは何が問題でしょうか。
まずは発がん性だと思います。WHO(国際保健機関)の専門組織IARC(国際がん研究機関)が2015年に、人に対しておそらく発がん性があるランク2Aと発表しました。米国では、ラウンドアップ(主成分・グリホサート)でがんを発症したと、1万8千件を超える訴訟が起こされ、すでに3件の裁判では患者が勝訴しています。
人で報告されている疾患や異常の中では、子どもの発達障害や脳への影響も重大な問題です。これに関する論文は多数発表されています。グリホサートは植物や細菌に特有な代謝系を阻害して、腸内細菌叢のバランスを崩し、脳で重要なグルタミン酸受容体に作用して、自閉症など発達障害の要因となる可能性が懸念されています。米国の疫学研究では、グリホサート曝露は自閉症のリスクを上げると報告されています。
さらに、世代を超えた影響も深刻です。動物実験で、グリホサートはネズミの生殖細胞の遺伝子の機能調節に変異を起こし、それが引き継がれて次々世代以降に腫瘍や生殖器の異常が多発しました。別の動物実験でも、次々世代の胎仔の数が減り発育不良が確認されました。動物で起こることは人間でも起こると考えられます。今の自分に影響がなくても、将来の子どもたちに健康障害が起こる可能性があります。

 ――なぜ、こんな危険な除草剤が売られているのでしょうか。 図1
一般的に農薬の毒性試験は原体(有効成分)でしか行われていません。農薬製剤には有効成分以外に界面活性剤などの添加物が入ると毒性が高くなる場合があり、ラウンドアップはグリホサートより約百倍も高毒性です。にも関わらず、農薬製剤で毒性試験を行っていない。
毒性試験に発達神経毒性試験や環境ホルモン作用、複合影響が含まれていないのも問題です。発達期の脳は化学物質に左右されやすいのに、子どもたちへの影響が確認されていません。グリホサートも同様で、安全性は決して確保されていないのです。
農薬が脳の発達に悪影響を及ぼすことは多くの研究から明らかで、有機リン、ピレスロイド、ネオニコチノイド系農薬などに加えグリホサートも、自閉症などの発達障害急増の要因となっているでしょう。公園や校庭など、子どもの遊ぶ場所でもグリホサートが散布され、食べものからも取り込んでいます。海外では規制が進んでいるのに、日本は規制どころか、食品の残留基準値を緩和しているのも大きな問題です。

 ――ただ、除草は欠かせないと言う農家も多いようです。
農家の方たちの事情もあると思いますが、先程申し上げたように、農薬は人への安全性が確保されていません。何らかの生き物を殺す、殺生物剤、つまり「毒物」です。使わないのが一番ですが、まずは減らしていく方向性を探ることが大切ではな
いでしょうか。さらにグリホサートは土壌細菌を殺すので農地が劣化します。
100円ショップのダイソーが市民からの要望でグリホサート系除草剤の生産を止めましたが、代わりに危険なグルホシネート系を売り出したので、販売中止を要請中です。1つ危険な農薬を規制しても、また新たな農薬が出てくる、いたちごっこは終わらせなければなりません。持続可能な農業のため、グリホサートを1つの契機として、農薬を減らしていくように方向転換していくべきだと思います。
( まとめ 纐纈 美千世)

休会またはその他の理由により、
現在ご注文機能を停止しております。

注文再開を希望される方は
オルター本部までご一報ください。

お電話から
0721-70-2266
WEBから
info@alter.gr.jp
CLOSE