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2019.07.23 オルター通信1603号
有機食材続ければ体内の農薬大幅減

有機食材続ければ体内の農薬大幅減
福島のNPOが調査
朝日新聞 2019年7月1日版より転載

農薬や化学肥料を使わない「有機農法」の食材を選ぶと、実際に体内の農薬を大幅に減らせることが、福島のNPO法人の調査で明らかになった。通常の市販の食材(慣行食材)を食べ続けた集団と比べ、有機食材を5日間とった人は体内の農薬は約半分、1カ月間続けた人は同1割未満の濃度だった。安全性をデータで示した貴重な成果と専門家は評価している。
NPO法人「福島県有機農業ネットワーク」が、北海道大学大学院獣医学研究科の地中 良徳准教授(毒性学)の協力を受けて調べた。生産農家と消費者の提携を進める同ネットワークが協力者を募
り、尿に含まれるネオニコチノイド系殺虫剤6種類と、それらが体内で分解されてできる物質1種類の濃度を測定した。調査結果によると、約330検体を分析したところ、従来通り近所のスーパーで購入した食材を食べ続けた48人は、尿中の7物質の濃度が合計で平均5.0ppb(ppbは10億分の1)。
一方、お茶も含めて同ネットワークが提供する有機食材のみを5日間とり続けた38人は同2.3ppb(46%)だった。
また、有機食材のみ1カ月間食べ続けた1世帯4人は同0.3ppb(6%)。有機農法を手がけ収穫物を自家でも食べている5世帯の12人も同0.5ppb(10%)と、一般の人の1割程度という低い数値だった。
ネオニコチノイド系殺虫剤は水によく溶け、農家が使いやすい薬剤として1990年代から使用量が増えた。近年は国内で約400トンが出荷される一方、食品への残留や環境への影響が問題視されている。地中准教授の分析結果によれば、市販のペットボトルのお茶からもほぼ全数で検出され、濃度は数~数十ppbになるという。
同ネットワーク理事の長谷川 浩さんは「食べ物を通じて体に入ってくる農薬を減らす方法とその効果を、具体的なデータで提示できた。有機農法への理解と支援が高まる契機になれば」と話す。
(編集委員・永井 靖二)

■数値化前例ない研究
農薬などの毒性に詳しい神戸大学大学院の星 信彦教授(動物分子形態学)の話

野菜の選び方を変えるだけで体内の農薬が劇的に減ることを実際の測定値で示した、ほとんど前例がない価値の高い研究成果だと思う。有機農法は手間がかかる一方で「環境に優しい」といった数値化しにくい評価が主流だっただけに、具体的に効果が示される意味は大きく、生産農家の励みになるのではないか。

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