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2019.05.28 オルター通信1595号 
グリホサートに新疑惑が次々と

アメリカの市民生活

「食品と暮らしの安全」 No.355 2018.11.1 発行より転載

田畑だけでなく住宅街でも使われている除草剤グリホサート。発ガン性の疑いに加え、新たな疑惑が次々と出てきました。

テキサス大学の研究チームはこのほど、グリホサートがミツバチの腸内細菌叢を破壊し、病気に対する抵抗力を低下させているとの研究結果を発表しました。
世界各地でミツバチが姿を消している原因としては、神経毒のネオニコチノイド系殺虫剤が疑われていますが、グリホサートも関与している可能性が出てきました。
研究チームは「除草剤はミツバチの生態に影響ないとの前提で使用されてきたが、その前提を見直す必要がある」とし、さらに、ミツバチと同じく受粉媒介者として貴重なマルハナバチも、「腸内細菌叢がミツバチと似ていることから影響を受けている可能性が
ある」と警告しています。
グリホサートは、カリフォルニア州裁判所がグリホサートでガンになったとする男性の訴えを認めて開発元のモンサントに320億円の支払いを命じたことで、世論の関心が高まっており、テキサス大学の研究結果も多くのメディアが報じています。
モンサントの親会社である独バイエルは慌てて、「過去の大規模な研究からグリホサートとミツバチの健康との間には何の関係もないことは明らか」との声明を出しました。

■モンサントが論文をでっち上げ?

しかしその直後、グリホサートは安全だとする根拠を自ら覆すかのような別の疑惑が、新たに出てきました。
その疑惑とは、過去に専門誌に掲載されたグリホサートの安全性を立証した論文が、実はモンサントの関係者がゴーストライターとして執筆したのではないかというものです。
この疑惑はもともと、先のカリフォルニアでの裁判で原告側弁護団が暴露。掲載した専門誌はこれを受けて、「論文の著者がモンサントの関与を事前にきちんと説明しなかったために、論文の透明性が損なわれた」として、誌上で事実上、陳謝しました。
モンサント側は、論文への関与は極めて限定的で、論文の結論に影響はないと主張しています。
しかし、グリホサートの安全性に関する数多くの論文へのモンサントの不透明な関与は以前からたびたび指摘されており、今回の一件で、グリホサートの安全性の根拠がますます疑われることとなりました。
守勢のモンサントに追い打ちを掛けているのが、相次ぐ訴訟です。
グリホサートが原因でガンになったとして、モンサントに対し起こされた訴訟は、現在9000件以上。原告の大半は、モンサントのお客様であるはずの農家です。
また、グリホサートが検出された食品を「ナチュラル」と宣伝して売るのは消費者を欺く行為だとして、複数の米市民団体が英大手サンドイッチチェーンのプレタ・マンジェを提訴するなど、海外では、食品メーカーや小売店に圧力を掛けてグリホサートを追放する動きが急速に広がっています。

猪瀬聖(ジャーナリスト)

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