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2018.09.25 オルター通信1561号
危険なファブリーズ

誰でも知っている消臭剤ファブリーズ。でもその危険性は意外と知られていません。
【食品と暮らしの安全 No. 353 2018.9発行より転載】

■「ファブる」は止めよう
ファブリーズは、アメリカのプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)社が世界各国で販売している消臭剤のブランド名。
日本でも1999年に発売すると、瞬く間に人気商品となり、2004年には「ファブる」という若者用語も生まれました。
置き型とスプレータイプがあり、用途に合わせて、布用、部屋用、トイレ用、車用、ペット用など、いろいろな種類が発売されています。
最近は、ちょっとした臭いでも気になる人が増え、スプレーで手軽に臭いが消えるというコマーシャルに需要は伸び、スーパーの棚にはさまざまな商品が並んでいます。
しかし、以前から、多くの専門家や研究機関がファブリーズの成分の危険性を指摘してきました。
一番問題とされているのは、除菌成分の「クウォット(QUAT)」。「4級アンモニウム化合物」の英語名の略称です。
P&Gはクウォットについて、「特定の除菌成分の総称です。このタイプの除菌成分の安全性は広く認められており、化粧品や薬用石鹸などに使用されています」と安全性を強調。
それを成分としたファブリーズについても、正しく使用すれば安全性に問題はないと説明しています。
ところが、その主張を覆すような研究結果がいくつもあります。

赤ちゃんマウスの死亡率が上昇
東京都健康安全研究センターは2010年、マウスを使ってクウォットの安全性を調べる実験を行いました。マウスの新生仔と成獣にクウォットを21日間連続して経口投与
したところ、新生仔ではオス、メスともに有意な死亡率の増加が見られました。臓器の発達の遅れや、尿酸値の低下、血糖値の上昇などの異常も確認。成獣に関しても、牌臓重量の低下や血液成分の異常が見られました。
報告書は「QUATは、布製品に噴霧する家庭用品に配合されることから、ヒトの生活環境における乳幼児および成人の摂取実態調査も必要で、その結果によっては、吸入
による安全性の検討も必要と考えられる」と、クウォット成分を含有した消臭剤の使用に注意を促しています。

■卵巣、子宮に悪影響も
海外でも同様の実験が行われています。その一つが、アメリカ・ワシントン州立大学のハント博士によるもので、2008年、科学誌「ネイチャー」に掲載されました。それによると、ハント博士が、専門である減数分裂の実験のために飼っていたマウスを、別の大学の研究施設からワシントンの研究施設に移したところ、その直後からメスの妊娠率が10%に下落。しかも妊娠後期に多くの胎児が死亡するという、それまで経験したことのない異常事態が発生しました。
原因を探ると、マウスのケージを洗浄するのに使っていた消毒液にクウォットが含まれていることがわかり、実験によって、クウォットがマウスの生殖異常の原因であることを突き止めたのです。ハント博士は「クウォットは非常に長い時間、環境中に残存するため、人間の女性の卵巣や子宮、授乳に悪影響を及ぼす可能性を懸念しています」と述べ、「クウォットは細菌の細胞膜に作用し細菌を死滅させるすばらしい力を持っていますが、私たち人間も細胞膜を持っていることを忘れてはいけません」と、その使用に警鐘を鳴らしています。
このアメリカでの実験結果からわかるのは、クウォットは、たとえメーカーの指示通りに使用したとしても、空気中に浮遊する粒子を口や鼻から吸い込むことで、人の健康に重大な影響を及ぼし得るということです。

表示規制の対象外
安全面でもうーつの大きな問題は、ファブリーズのような消臭剤や芳香剤は、家庭用品品質表示法の対象外であるため、洗濯用洗剤や台所用洗剤などのように詳細な成
分表示をする義務がないこと。メーカーに問い合わせても、「企業秘密」を盾に詳細な情報は教えてもらえません。
どんな化学物質が使われているのか、消費者は知るすべがないのです。化学物質過敏症などが大きな問題となっているのに、あり得ないことです。中身のわからないものは買わないのが無難です。
さらに、消臭効果も疑問です。臭いを消す方法は大きくわけると、化学的消臭法、物理的消臭法、生物的消臭法、感覚的消臭法の4つがあります。化学的消臭法は、悪臭の成分を消臭剤の成分と化学反応させ、無臭の成分にする方法。物理的消臭法は、悪臭の成分を消臭剤の成分で包み込んで臭いを消す方法。生物的消臭法は、抗菌剤などを使って悪臭を発生させるバクテリアの繁殖を抑える方法。
感覚的消臭法は、さらに2つに分かれ、ひとつは、強烈な臭いのする成分で悪臭を隠す、俗にマスキングと呼ぶ方法。
もうひとつは、悪臭の成分を消臭剤の成分に取り込んでよい香りに変える方法で、ペアリングと呼ばれます。 P&Gによると、ファブリーズは、主に化学的消臭法、物理的消臭法、感覚的消臭法の3つを組み合わせて消臭しています。
ただ、いずれの方法も、化学反応を起こす物質が限られること、いったん包み込んでも、悪臭の原因物質はそのまま、時間がたつと悪臭の元が再放出されるといった欠点があり、完全に消臭することはできません。

■大量にスプレーが必要?
消費者団体の実験でも、ファブリーズに関し、「悪臭が消えない」「効果は一時的」といった結果がでています。そのためか、ファブリーズのパッケージには、1度に吹きかける回数の目途として、スーツは10回、布団は20回などと書いてあります。こんなに吹きかけなければ、効果は期待できないということです。また、大量にスプレーすれば、それだけ危険物質を吸い込む可能性も高くなります。ファブリーズを使うぐらいなら、こまめに洗濯したり、禁煙したりするなどして、臭いの原因をつくらないようにしましょう。

(猪瀬)

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