トップ > オルター通信一覧 > 終わっていない子宮頸がんワクチン禍

2018.03.20 オルター通信1534号
終わっていない子宮頸がんワクチン禍

終わっていない子宮頸がんワクチン禍

消費者リポート No.1606 2018.2.20 より転載
日消連事務局長 纐纈美千世

十代の少女たちに重篤な被害を出した子宮頸がんワクチン。2013年6月に積極的な接種勧奨は中止されたものの、いまだに定期接種の対象から外れていません。今年1月に厚生労働省が公表した子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)リーフレット改訂版は、副反応の実態を正確に伝えていないなど、接種によって起こり得る危険性の説明が不十分です。日本産科婦人科学会やWHO(世界保健機関)は積極的勧奨の早期再開を求めています。しかし、被害者の状況は依然として深刻です。この危険なワクチンを推進しようとする動きの背景を探ります。

ワクチン被害のいま
「1回目の接種は2011年9月16日で、特に問題はありませんでした。約1カ月後の10月19日に2回目を接種した直後からおかしくなったんです」。東京・杉並区に住む松
藤美香さんは、「サーバリックス」という子宮頸がんワクチン(以降はHPVワクチン)を打った娘さんに起こったことを日付とともに鮮明に覚えていました。

◆自分の名前もわからなくなった
11年は定期接種化される前です。しかし、その前年に国が「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の実施を決定したことを受け、杉並区は「中学入学お祝いワクチ
ン」として区内に住む中学1年の女子を対象にHPVワクチン接種費用の全額助成を開始。「子宮頸がんから命を守るワクチン」と書かれた区からの案内を見て、松藤さんは将来、娘が子宮頸がんにかからないならと打たせました。
当時の娘さんは空手に打ち込む元気な中学生でした。ところが、2回目の接種直後から様々な症状に見舞われます。
最初は腕がしびれ、赤く腫れ上がりました。以来、体が自分の意思と関係なく動いてしまう不随意運動、失神、学習障害など、多種多様な症状が次々と現れました。「数字が1から10まで数えられなくなったり、家族や自分の名前さえわからなくなる。家にいるのに『おうちに帰りたい』と幼児に逆戻りしたように泣く娘を見るのは本当につらかった」と松藤さん。一時の劇烈な症状は治まっているものの、接種から6年以上経つ今も容態は一進一退だと言います。

◆被害者連絡会を設立
そんな松藤さんと二人三脚で被害者救済の活動をしているのが、東京都日野市議会議員の池田利恵(としえ)さんです。HPVワクチンの公費助成が始まった10年に市議会でこの件について取り上げた時は、こんな危険なワクチンだとは思わなかったと言います。11年にHPVワクチンを接種した少女が死亡する事件をきっかけに被害者情報収集を始めました。世の中にこの間題の深刻さを訴えるには、被害の実態をできるだけ多く集める必要があったからです。
そんな中でつながったのが、娘さんの症状をインターネットのブログ「みかりんのささやき」(https://ameblo.jp/3fujiko/)に書いていた松藤さんでした。池田さんたちは定期接種化直前の13年3月に全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会を設立。現在は全国に13支部あり、約600人の会員がいます。これまでに受けた相談は2千件以上。「他の家族の目を気にして夜中に電話をしてくる被害者の母親も少なくないんですよ」と池田さんは顔を曇らせます。たった1本のワクチンが、それまで健康だった少女の人生だけでなく、その家族の生活も奪ってしまったのです。

◆接種者の健康調査求める
今なおHPVワクチン被害で言いようのない苦しみを味わっている女性は全国にたくさんいます。被害者連絡会は、設立当初から治療法の早期確立を求め、それにはこ
のワクチンを接種した人たちの健康調査を行うことが欠かせないと訴えています。
HPVワクチンのリスクを何も知らされず接種した彼女たちには何の落ち度もありません。間違いなく被害者です。社会全体でHPVワクチン問題を考え、被害者への理解を深めることが私たちに求められています。

子宮頸がん予防の証拠はない

NPO法人医薬ビジランスセンター 浜六郎

HPVワクチンついて、国(厚生労働省)は、いまだにその害を公式に認めておらず安全だ、としています。そのせいか、HPVワクチンで子宮頸がんを予防できると思っている人がいたり、医師などの一部専門家からは、HPVワクチン接種による害は他のワクチン接種にくらべて特段多いわけではない、HPVワクチン接種後の様々な症状は接種時の強い痛みがきっかけで起こる思春期の少女に特有の心身症に基づくものだ、との声が上がっています。本当でしょうか。HPVワクチンの危険性を訴えている、薬剤疫学が専門の浜六郎さんにうかがいました。

Q:HPVワクチンは子宮頸がんを予防しますか?
A:予防しません。
そもそも、厚労省自らが2017年12月、ワクチンの名称を子宮頸がんワクチンからHPVワクチンへと改めると公表し、18年1月18日から使用しています。理由は、子宮頸がんを予防する証拠がないからです。HPVワクチンが予防したのは、子宮頸部の細胞の異型性の軽減だけです。厚労省もそのことを認めています。

Q:HPVワクチン接種による被害は大したことない?
A:他のワクチン接種に比べて圧倒的に深刻です。
たとえば、HPVワクチンには、急性の反応として失神や意識消失とともに、痙攣が多い。失神や意識消失は、インフルエンザワクチンの数百倍、痙攣はインフルエンザワクチンの60倍、日本脳炎ワクチンの7倍多く生じています。これまでのワクチンと異なり、非常に重い反応が高頻度です。

Q:HPVワクチン接種後の症状は思春期の少女にありがちですか?
A:いいえ、ワクチン特有の症状です。
小児膠原病などの専門医が異口同音に「こんな病気は今までに見たことがない」というほど、特異な反応です。
「思春期の少女に特有の心身症」などと片付けられる症状ではありません。これは、抗原成分そのものとワクチン作用を強めるために加えている補助剤(アジュバント)による強力な反応です。疫学調査でも、ワクチン非接種者よりも接種した人のほうに様々な症状が多いことが証明されています。差がないという報告は調査方法や解析の方法が違っているからです。
薬剤による被害救済制度への請求に対して、「肢体機能障害、高次脳機能症状」などのために、身体障害1級と2級相当として被害の補償がされた人が少なくとも30人以上いますし、17年9月までに400人以上が副反応被害を認定されています。因果関係を認めているからこそ、被害救済の補償をしているのです。詳しくは、医療ビジランスセンターのホームページ(http://npojip.org/)をご覧ください。

被害者を孤立させない
薬害オンブズパースン会議事務局長 水口真寿美

どんな薬にも副作用(副反応)はあります。副反応が出たからといってすべてが薬害というわけではありません。被害の重さや発生頻度などからみて、その薬の有効性・必要性に見合わないような健康被害が出た時に薬害となります。
その意味でHPVワクチンは典型的な薬害と言えます。

◆明らかになる深刻な被害状況
このワクチンを接種した人の多くは、これを打てば一生、子宮頸がんにならないと思っていました。ところが、HPVワクチンで子宮頸がんそのものを防ぐ効果は証明されていません。感染を予防できるウイルスも一部の型だけで、その予防効果が一生続くかどうかもわかっていません。
そもそもHPVに感染してもそのウイルスの9割は2年以内に自然排出され、がんにまで進展するのは感染者の0.15%とされています。しかも、子宮頸がんは早期発見で
ほぼ100%完治します。
一方で、被害は深刻です。激しい頭痛、体が自分の意思と関係なく動いてしまう不随意運動、痙攣、記憶障害など、きわめて多様な副反応症状が出ています。1人の被害
者にこういった症状が複数現れていることもHPVワクチンの特徴です。副反応が疑われる報告は1千人に1人の割合で出ており、そのうちの半数近くが重篤です。他のワクチンとの比較でも、HPVワクチンの重篤有害事象の報告頻度は際立って高い。
検診という予防手段があるにもかかわらず、有効性が限定的かつ不確実で、しかもリスクが高いワクチンを健康な少女たちに打たせる合理性はどこにも見出せません。被害実態が明らかになっているのに厚労省が国民にいまだにきちんと知らせていないことも問題です。

◆過去の過ちから学ばない推進派
これまでいくつかの薬害事件にかかわってきましたが、今回のHPVワクチン推進派の医師などによる被害者に対する攻撃はかつて経験したことがないものです。詐病扱いしたり、被害者が副反応を訴えているせいで、日本で子宮頸がんの死亡者が増えるかのようにネット上で書き立てたりしています。被害者たちはなぜこのようなことが自分の身に起こったのかわからず、悩み苦しみ、病院をたらい回しにされました。必死に手がかりを探す中で同じような症状に苦しむ人たちの存在を報道などで知り、やっとHPVワクチンの被害であることに気づいたのです。
HPVワクチン推進派は「被害とワクチンの因果関係を科学的に証明せよ」と言います。しかし、因果関係が科学的に証明されるまでには相当の年月を要します。因果関係が証明されていないからといって対策を先送りにし、被害の拡大を招いた例は枚挙にいとまがありません。科学的に完全な証明がない限り、被害をないも同然に扱おうとする人たちは、過去の薬害から何も学んでいないのではないでしょうか。
日本だけでなく海外でも、HPVワクチン接種者に、他の疾患では説明できないような共通した特徴のある症状が多数発生しています。その症状を科学的に説明する研究
も積み重ねられ、因果関係は、ほぼ確実といえる状況にあるのです。むしろ、国や企業が、安全だということを科学的に証明するべきなのです。

◆裁判で治療法開発も求める
私自身はHPVワクチン薬害訴訟全国弁護団の共同代表でもあります。日本の薬害集団訴訟は、賠償金の獲得にとどまらず、救済制度の確立や医療体制の整備、薬害防止
のための制度前進も目指してきました。HPVワクチン薬害訴訟でも賠償と併せて治療方法の開発、進学・就労支援などを求めています。HPVワクチンが副反応を引き起こしている仕組みは解明されつつありますが、治療法は確立していません。
それまで普通に生活していた人が、接種を機に人生が変わってしまった事実をもっと知ってほしい。「応援しています」。この一言で被害者は勇気づけられます。被害者たちを孤立させてはなりません。自分の娘にも起こり得ることと捉え、ぜひ多くの人にHPVワクチン問題を知らせてほしいです。

◎HPVワクチン問題の根深さ
HPVワクチン問題を取材する中でずっと引っ掛かっていたことがありました。これほどの副反応が明らかになっているにもかかわらず、接種の積極的勧奨を再開させようとするのはなぜか。

◆米国からの要求
お金が絡んでいるからだと言えばそれまでです。確かに、ワクチンの定期接種化と積極的勧奨は莫大な利益を生み出します。しかし、一部とはいえ被害補償がなされ、被害者による集団訴訟も起こされている中で、もし再び副反応が出るようであれば、国にも企業にも大打撃となることは間違いありません。
薬害オンブズパースン会議事務局長の水口真寿美さんの話を聞いて合点がいきました。2011年2月の「日米経済調和対話」で米国から、「ワクチンに対するアクセス:日本全国におけるワクチンの供給を促進する長期的解決策を見つけて、2010年に採用されたHIB (ヒブ)、肺炎球菌、HPVワクチンについての措置を拡充する」と促されていました。米国からHPVワクチンを広めるよう要求され、日本政府はそれに応えていたのです。

◆ワクチンメーカーがWHOに寄付
HPVワクチン推進派が主張する「WHO(世界保健機関)による安全声明」にも問題があるようです。正確にはWHOのワクチン安全性諮問委員会が出した声明で、同ワクチンの効果と安全性を強調しています。国連機関WHOには中立のイメージを持つ人も多いようですが、実態は違います。WHOの財源をみると、加盟国の出資金はごく一部で、多くは寄付です。ワクチン関係団体やワクチンメーカーも大口の寄付をしています。原子力ムラ同様にワクチンムラがあるようです。(纐纈美千世)

休会またはその他の理由により、
現在ご注文機能を停止しております。

注文再開を希望される方は
オルター本部までご一報ください。

お電話から
0721-70-2266
WEBから
info@alter.gr.jp
CLOSE