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2017.11.28 オルター通信1519号
油の摂取バランス考えて

油の摂取バランス考えて

魚を豊富に 和食お薦め

名古屋市立大名誉教授・
奥山治美さんに聞く
【東京新聞 2017年9月14日版より転載】

毎日の食事と切っても切り離せない「油」。炒め物や揚げ物に欠かせないほか、肉や魚など元から含んでいる食材も多い。以前は健康に気を使う人から避けられることもあったが、最近はヘルシーなイメージの油もある。そこで、どんな油を選んで、どう摂取したらよいのか、日本脂質栄養学会の初代会長で名古屋市立大名誉教授の奥山治美(はるみ)さん(78)に聞いた。(河郷丈史)
「油の種類によって、体に与える影響は大きく違います」。奥山さんはこう話す。ひとくちに油と言っても「オメガ3、6、9系」の三種類と、「飽和脂肪酸」の計四種類に大別される。
飽和脂肪酸は牛脂やラードなど動物性脂肪のほか、パーム油やココナッツ油といった植物油脂に多く含まれている。ちなみに脂肪酸とは油の主成分で、構成する炭素の結合の仕方によって、大きく分けると飽和と不飽和がある。
オメガの三つはいずれも不飽和脂肪酸。3系は魚の脂に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、6系は大豆油やコーン油に多いリノール酸、そして9系はオリーブ油に豊富なオレイン酸にそれぞれ代表される。
この四種類のうち、実は9系と飽和脂肪酸は、あえて口に入れなくても人間の体内でつくられる。なので、食事で取らなければならない「必須脂肪酸」は、6系と3系の二つだ。
6系は、体の成長や生殖生理、皮膚の健康に欠かせない重要な成分。ただ、奥山さんは「ほとんどの食品に含まれるので、通常の食事をしていれば欠乏症になることはまずない。むしろ、日本人は6系の摂取量が多すぎるので、植物油から取る必要はない」と指摘する。
奥山さんによると、日本人は6系をほとんどリノール酸で取っているが、リノール酸が多すぎると体内に炎症が起こり、アレルギー性の病気やがんなど、さまざまな病気のリスクとなる可能性がある。一方、3系の代表格のDHAやEPAには、炎症を抑えたり、アレルギー体質を改善したりするなど、さまざまな効果があるとされる。「3系と6系のバランスをよくすることが一番大切。日本人は6系が多いために3系が相対的に足りていない」という。6系はなるべく減らし、3系を増やすべきだと説く。
では、3系を取るにはどうすればいいか。DHAやEPAは魚の脂に含まれるので、積極的に魚を食べたいところ。植物油なら、エゴマ油や亜麻仁(あまに)油は3系に属する「α-リノレン酸」が多い。α-リノレン酸は体内に取り込まれると、一部はEPAやDHAに変わる。
それらを踏まえて奥山さんが薦める食事は、魚が盛りだくさんな和食を中心としたメニュー。揚げ物を控えた和食なら、リノール酸の摂取量も抑えられる。調理に油が必要なときは他の油と混ざっていない純粋なエゴマ油、亜麻仁油を少し使う程度にとどめる。ほかの油に比べると高価だが「使う量が少しなら、それほど出費は変わらない。油を使わなくても、おいしい料理はたくさんある」と話す。

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