硝酸塩 心配な野菜、安心な野菜
通信913号記事
亜硝酸態窒素の心配のない、オルター野菜を食べましょう。(代表)
食品と暮らしの安全No.201 より記事転載

許容値を超えることがふせられていた硝酸塩。
何が問題で、どう対処すればいいのか、
その方法を具体的に明らかにします。



発ガン物質に変化する硝酸塩
 植物の窒素源として広く自然界に存在しているのが硝酸塩で、毒性は強くありません。
 それでも大量に摂ると、血液の酸素運搬能力を低下させて中毒を起こします。水に硝酸塩が多く含まれると乳幼児に被害が出ます。  
 硝酸塩は、体内で発ガン物質になります。唾液で代謝されて亜硝酸塩になり、この物質が胃の中で肉や魚のアミン類と反応すると、強い発ガン物質であるニトロソ化合物になるのです。
 亜硝酸塩になると、毒性が強くなります。亜硝酸塩は、ハム・ソーセージに発色剤として添加されています。ジュースの測定で同時に検査しましたが、検出されませんでした。 硝酸塩の摂取源の98%は野菜で、摂り過ぎに食品添加物は関与していません。
 発ガンにつながる硝酸塩を、許容量を超えて野菜から摂取していることは大問題です。
 ところが、この事実がほとんど知られていないのです。
最大の原因は化学肥料
 昔の野菜は、今ほど硝酸塩を多く含んではいませんでした。それが、近代農法によって 硝酸塩を多く含むようになったのです。
 野菜の成長には窒素分が必要ですが、取り込む量が多過ぎたり、十分にタンパク質に変化させられないとき、硝酸塩が野菜中に増加します。
 ですから、野菜中の硝酸塩が多くなる最大の理由は、化学肥料を使うことです。 化学肥料で収量は増えても、危険性が出てきているのです。
 その上に、日本では3つの理由が加わって硝酸塩が増えています。
 食料自給率の低い日本は、大量の穀物を輸入しています。それらは、食料や飼料として用いられた後、かなりの部分が堆肥になって田畑に入れられます。堆肥には窒素分が多く含まれているので、日本の田畑は窒素過剰になったところが多いのです。
 このため日本は、有機野菜にも硝酸塩が多く含まれる傾向があるのが第1です。
 第2は、季節外れの野菜では当たり前になっている施設栽培です。光線量が少なくて光合成が間に合わず、取り込んだ硝酸塩が使われずに残っている野菜が多いのです。
 第3は、水耕栽培です。水耕栽培の野菜には硝酸塩が多く残っています。
 輸入農産物も、化学肥料を大量に使用して多量の硝酸塩が含まれていることがあるので、どの農産物に多く含まれるのかは、個々に調べないとわかりません。
子どもが危ない
 食品衛生法で硝酸塩を規制しているのは加工食品に使用する食品添加物だけ。そこで、FAO/WHOの国際基準をみると、1日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たリ3.7mgとしています。体重50kgの人だと185mgになるので、野菜だけで284mg摂取している日本の成人は国際基準をオーバーしています。
 特に危ういのは子どもで、体重が少ない割りに野菜をよく食べるので、許容量の2倍以上を摂取しています(表1)。
 野菜中の硝酸塩の国際基準は設定されていません。化学肥料は世界中どこでも使われていて、野菜に含まれる硝酸塩が多くなり、どの国でも一日摂取許容量に収まりそうにないためと思われます。
危険を避ける方法
 硝酸塩を多く含有している野菜は、ホウレン草、小松菜、チンゲンサイ、ターサイ、大根菜、水莱、サラダ菜、春菊などで、2000ppmから6000ppm(100万分の1)程度含まれています。
 少ないのは、サラダホウレン草、大根、キャベツ、キュウリ、人参、トマト、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、さやえんどう、ネギ、玉ネギ、グリーンアスパラガス、ニラ、ナスなどで4ppmから400ppmです。
 このように、硝酸塩を多く含むグループと少ないグループでは含有量に大差があります。
 この差に注目して、含有量が少ない野菜を主体に食べていれば、どんなに多く食べても許容量を超えることはありません。
 さらに、ホウレン草、小松菜、チンゲンサイなどをゆでこぼせば、硝酸塩を30〜45%減らすことができます。
 また、露地栽培の野菜は、施設栽培されたものの半分程度しか硝酸塩を含みません。
 化学肥料を使った慣行栽培の野菜より、有機栽培した野菜の方が硝酸塩は少ないので、できるだけ露地物で有機栽培された野菜を選ぶことも大切です。
 このようにして、硝酸塩の多い野菜を避け、適切に調理した野菜を食べていれば、硝酸塩の許容量を超えることなく、野菜の必要摂取量を満たすことができます。   (小若)

<参考文献>
村田美穂子、石永正隆「市販飲料中の硝酸塩および亜硝酸の含有量調査」食品衛生学雑誌Vol.146、No.4
食品添加物含有量データベース「生鮮食品中の硝酸塩、亜硝酸塩含有量」
厚生労働省「食品添加物一日摂取量総点検調査報告書」
平成12年12月
厚生労働省「平成14年度国民栄養調査結果の概要」
農林水産省HP「野菜中の硝酸塩に関する情報」



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